広島のベトナム人留学生に話を聞いてみた!

ヒエウさんインタビュー風景

「広島にあるアジア」第二弾!
ベトナム人留学生のファン・フウ・ヒエウさんにお話をお伺いしました。
勉強や日々の生活、日本とベトナム両方を知っているからこそわかったこと、就職や将来の夢についても。

多くいる留学生の中のほんの一人の物語ではありますが、日本に住んでいる留学生の日常をちょっと覗いてみませんか?

インタビューの動画もありますので、よろしければこちらもどうぞ。

勉強、そして日々の生活

ヒエウさんはベトナム南部、海岸沿いのリゾート都市ニャチャンの出身です。

元々は地元の電気系大学に通っていたヒエウさんですが、自動車が好きで、将来は自動車に関する仕事に就きたいと考えていました。
その思いと大学での勉強にズレを感じ、悩んでいたと言います。
その頃、日本に留学していた友人が帰国してきて、話をしたそうです。彼はヒエウさんに「日本に行ってみなよ」と言いました。
日本には世界的に有名な自動車会社が多くあり、技術力の高さにも定評がある。
友人の言葉をきっかけに、ヒエウさんは留学を決意しました。

現在通っている広島国際学院大学では工学部生産工学科の四年生として、CADを用いた製造機械の設計、生産や機械の溶接加工などを学んでいます。
力学や数学、物理学なども日本語で理解しなくてはならないため、余計に勉強は大変です。

「教科書を読みながら、インターネットで調べたり、YouTubeの動画を参考にしたりして勉強しています」

授業風景

また、勉強や生活のための費用もラーメン屋のキッチンでのアルバイトで払っています。
通常以上の努力がいる他言語での勉強に加え、留学中の費用を自ら工面する大変さ。
そんな苦労を見せることなく、ヒエウさんは笑顔でこう言います。

「好きな食べ物は、やっぱりお好み焼きとつけ麺。
 僕が働いているところのラーメンも美味しいからぜひ食べにきて」

たまの休みには広島の風景を写真や動画に納めることがヒエウさんの趣味。
広島国際センター内にある広島県留学生活活躍支援センターが募集した留学生活の動画コンテストでは、友人達と一緒に制作した動画で受賞しました。
また、献血や宮島でのゴミ拾い登山など、ボランティアにも参加し、留学生活を充実したものにしようと積極的に活動しています。

宮島登山風景
宮島ゴミ拾い登山

ヒエウさんが見た日本とベトナム

「寮についた時に教えてもらった、ゴミの分別では驚きました。ゴミの出し方の表ももらってちゃんとみたけど、最初は全く分からなくて。これは、覚えられない、と」
今ではちゃんと分別できるよ、と笑います。

他に印象的なことな、日本人はクラクションを鳴らさないこと。
ベトナムではバイクが多く、交差点付近では皆「ビビーっ」とすぐにクラクションを鳴らします。
ヒエウさんとしてはベトナムより、日本の静かな道路事情の方が好きらしく、クラクションの音が懐かしくないですか、との問いには首を振っていました。
「日本人は他の人の迷惑にならないようにちゃんと気を遣いますね」と呟くように漏らした言葉がヒエウさんの気持ちを表しているようでした。

ベトナムの信号待ちバイク群

「日本に来たら勉強、アルバイトもだけど、炊事掃除洗濯など、生活の全てを自分でやらなければいけないから、成長できた、と言う実感があります」と言うヒエウさんですが、それでも落ち込んだり、困った状況になることもあります。
そんな時に掛けてくれる「頑張ろう」という日本語が好きな言葉です。
ベトナム語では「CÙNG CỐ GẮNG」と言うらしく、やはり、言ってもらえたら嬉しい言葉。

「家族や友達、彼女から『頑張ろう』と言ってもらえたら、それが力になって、なんでも乗り越えられます!」

ヒエウさん友人

故郷ニャチャンのお薦めの場所はビーチとヴィンパールランド。
ニャチャンは海岸沿いにあるベトナム屈指のリゾート都市で、風光明美なビーチ、ダイビングスポット、自然豊かな島々があります。
また、ベトナムきってのアミューズメントテーマパークであるヴィンパールランドには、遊園地、動物園、水族館、プールなど、エンターテインメントな施設が満載。とても一日、二日では遊びきれない、外国人にも人気な観光地です。

「伊勢海老やイカなどのシーフードも美味しいので、機会があればぜひ来て!」

就職、そしてその先

大学四年生になり、広島で就職活動もしているヒエウさん。
やはり自動車関連の仕事に就きたいと考えています。
設計や部品づくりはもちろんのこと、販売などの営業系の仕事など、自動車に関する職種に幅広く関心を持っています。
それは、将来ベトナムに戻り、自分の会社を創りたい、と言う夢があるから。
自分のガレージを持ち、修理や車検などの仕事をしたい。
確かに、そのためには幅広い職種を経験することは大切です。
就職活動が上手くいくことを祈っています。

留学生とは

インタビューを通して、ヒエウさんはよく「ものづくり」という言葉を使っていました。
まだまだ日本の「ものづくり」が世界で通用し、それを学びたいと思ってくれる人々がいるのなら、それは嬉しいことです。
「ものづくり」を目指して日本に留学し、技術を学び、仕事も経験し、それを故国でも活かす。
それは、留学生自らの国への貢献でもあり、彼らが活躍することによって、日本にとっても多くの好影響を及ぼすことになります。

個人の夢にとっても、国と国の良好な関係にとっても、留学生という経験はきっと大きな力を持っています。
だから、地域として、国として、そして日本人として、留学生を応援し、何かできることがないか常に関心を持ち続けたいと思います。
大変なことも多いかと思いますが、ヒエウさん、頑張ってください!

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