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インドネシアビザと工業地帯が分かる! 知っておきたい主要工業団地

インドネシア郊外街並み

インドネシアには日系企業主導で展開されている工業団地が多くあります。
そこで、ジャカルタ近郊の工業地帯、主要工業団地の概要と、出張する際には便利なビザ情報を併せてお伝えします。
詳細情報を調べる前に、まずは俯瞰的な知識が欲しい、という方は必見!

1. インドネシア入国ビザのタイプ

インドネシアご出張者様が取得するビザは、多くの場合、Visa On Arrival(VOA)または211ビザというタイプになります。
VOAですが、入国時に取得可能な到着ビザとなっており、観光、社会文化訪問(親族、社会文化団体、教育機関訪問)、商用訪問(会社訪問、商談、会議出席等の就労を伴わないもの)、また政府の用務を目的とする30日以内の滞在が許可されています。

料金は 30日間で500,000ルピアとなっており、インドネシア国内の全ての出入国管理局事務所で1回限り、30日間の延長申請が認められています。
この料金は2019年前半には35米ドルとなっていたものが、500,000ルピアに変更され、ルピアでの支払いのみ可能となっていますが、実際の運用では米ドル・日本円での支払いができたと言われる方が多い状況です。
ただし、お釣りが無いと言われ、500,000ルピア相当以上を請求される場合も多々あるようですので、出来るだけ到着時にルピアを用意しておくことをお勧めします。

このビザは商談目的は許可されているものの、工場見学や工場内での検品作業などは認められていませんので、この点は注意が必要です。
VOAで入国し、短時間であれば大丈夫だろうと判断し検品作業をしていたら、移民局が踏み込んできて受け入れの日本人社員と共に一時拘束されあたり、多額の罰金を支払った等のケースがあるようですので、注意が必要です。
現地の噂レベルではありますが、日本人が宿泊するようなホテルでは移民局と繋がっており、そこから情報が漏れるたり、訪問先の会社の現地社員から通報があったりという事もあるようです。

VOAビザ以外では、VOAと同様に商談や会議などの活動が認められており、60日まで滞在可能な211Aビザ、また工場見学や工場内作業が許可されている211Bビザがあります。
211Aビザは30日間の延長が最大4回までできますが、ご出張前にビザを取得してから渡航する必要があります。
211Aビザ申請に必要な手続き詳細は、下記の在本邦インドネシア大使館の情報を参照ください。

在本邦インドネシ大使館/公共サービス

また工場内での作業をともなうご出張の場合、211Bビザの取得が必要になります。
このビザは211Aの活動内容にくわえて、工場内作業、製品品質検査、現地スタッフ育成、指導、訓練をすることが許可されています。
このビザも211A同様にご出張前のビザ取得が必要になりますので、詳細については上記の在本邦インドネシア大使館の情報を参照ください。

2. 主要日系工業団地の紹介

次に、日系企業が多く入居するジャカルタ近郊の主要な工業団地を紹介します。

MM2100

MM2100

まずはジャカルタ東部に位置し、1時間前後の距離となっているブカシ県所在のMM2100です。
MM2100は1990年に設立された工業団地で、丸紅と地場のManunggal Groupが出資しており、約180社が操業しています。
アストラホンダモーター、ヤマハ発動機、デンソー、日本精工などの企業が入居しています。

East Jakarta industrial park(EJIP)

EJIP

次に、MM2100 から30分ほどの距離のEast Jakarta industrial park(EJIP)ですが、1990年4月に設立され、住友商事が60%、インドネシア資本が40%の合弁による運営となっています。
日系企業が多く、入居企業100社弱のうち、8割程度が日系企業となっています。
日立パワーシステム、エプソン、ヤンマー、武蔵精密工業、住商グローバルロジスティックスなどの企業が操業しています。

Karawang International Industrial City (KIIC)

KIIC

カラワン県に所在するKIIC(Karawang International Industrial City)工業団地は、伊藤忠商事とインドネシア資本のシナルマスグループが50%ずつ出資して設立されています。
ジャカルタの中心部からは1時間半程度と少々離れていますが、トヨタ、ダイハツ、いすゞ、シャープ、大日本印刷、花王など多くの企業が入居しています。

Greenland International Industrial Center(GIIC)

GIIC

ブカシ州チカランに所在するGIIC工業団地は、2015年に双日と地場のシナルマスグループによって設立された、比較的新しい工業団地です。
約120社が入居しており、スズキ自動車、伊勢湾海運、フタバ産業、YKKなどが操業しています。

3. ジャカルタ近郊エリアの特徴

上記の通り、ジャカルタ東部のブカシ県、またはカラワン県に日系工業団地が密集している特徴があります。
ブカシ県のチカランエリアには日本人会もあり、近年日本人学校ができたり、日本食レストランも年々増えており、これらの工業団地に勤務する日本人駐在員が多く居住しているエリアです。
日本人出張者が安心して宿泊できるホテルも複数ありますので、このエリアに宿泊される方も多いのではと思います。
もうひとつのカラワン県ですが、こちらはジャカルタからブカシ県を超えた先になりますので、ジャカルタ市内からの移動は1.5時間~2時間程度となります。
チカランエリアからの移動時間は通常30分~1時間程度ですが、工業団地の入り口料金所で渋滞したり、また工業団地内でも時間によっては渋滞が常態化しているエリアが多くありますので、県をまたいだご出張の際には注意が必要です。

カラワン県はチカランエリアに比べると、まだ日本食レストランや宿泊施設が少なめとなっていますが、徐々に開発も進んできており、当地のひどい渋滞を回避するため、カラワン県内に宿泊し同県内の企業を効率よく廻るというケースも一般的です。

4. まとめ

今回は、インドネシア出張される方向けに、代表的な入国ビザ、主要な工業団地の紹介記事を書かせて頂きました。
ビザは大きく分けて空港到着時に申請するVOAと、日本出国前に手続きが必要な211タイプに分類されます。
ご出張の目的にあわせ、どのビザを申請すべきかを余裕を持って調べておきましょう。
日系工業団地の多くはジャカルタ東部のブカシ県、カラワン県に立地しています。
各工業団地間は30分~1時間程度の移動距離となりますが、ジャカルタと同様に渋滞がひどい事が多いため、スケジュール組みの際には現地の受け入れ先にも良く相談し、ご自身の宿泊先はどこのエリアになるのかも把握されたうえでスケジュールを検討されると効果的かと思います。

文・写真(一部):インドネシア在住寄稿者

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