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思わず納得!タイの国民性を理解して円滑にお仕事を進めよう!

デスクの上で手を重ねる人々

タイは観光のみならずビジネスで訪れる日本人も大変多いです。そんなタイには日本から1000を超える会社が進出しており、これからも関係が深まると共に増えていくでしょう。
所謂「日本式」はタイをはじめ、世界的に賞賛はされていますが、かと言ってタイ人の国民性を一切無視して完全に日本化するようでは無用な対立を生むだけで健全ではありません。そのため、仕事を円滑かつ円満に進めるためにはタイの国民性を正しく理解することが必須です。

1. 楽観的でのんびり

勤勉=美徳はタイでは通じ得ません。別項で詳しく述べますが苦労は買ってでもするべきという思考を強制するようではむしろ離れていくだけです。
また、楽観的な思考を持つということは裏を返せば最悪の場合に備えたバックアッププランに欠けると言わざるを得ません。そこで大切なのは仕事中に頻繁に「もし○○が想定外の××になったらどうするのか」などと質問することです。理想的には口頭のみならずビジュアルでできるといいです。

2. 時間にはゆるめ

前項で述べたのんびりしているところから派生して時間にも緩いです。そのため、数分程度の遅刻は彼らには遅刻ではありません。これを改善するときに大事なのは押し付けるだけで終わらせるのではなく、理由を丁寧に説明することです。端的に述べると遅れないことによるメリットを説明して納得させることがポイントのひとつです。

3. プライドは高い

楽観的でのんびりしたマインドを持つと言われるタイ人ですがプライドが低いわけではありません。むしろ高いです。これは何を意味するかというと、ミスを注意されると怒りやすいです。特に大勢の前で注意されると恥さらしと捉えられやすいです。また、相手のプライドを傷つけないための配慮なのか他人のミスに対して注意することはあまりありません。
そこで大事なのはミスをみつけたらまずは個別のミーティングを設定してゆっくり指摘することです。論破するというよりは相手に納得してもらうようなイメージで行うのがポイントです。

4. 国王は絶対的な尊敬対象!

タイでビジネスをする方なら既にご存知のこととは思いますが、タイは王国です。つまり国王はいますし、国民にとっては絶対的な尊敬対象です。そのため、口が滑って国王を批判してしまったりすると逆鱗に触れることになります。(しかも刑事罰にも問われます。)

5. おしゃべりは命!

タイ人はとにかく人懐っこく、おしゃべりな人たちです。そのため、仕事の場面でも会話が盛り上がっているシーンを見ることも少なくありません。
日本での仕事環境に慣れている人からしてみれば仕事は私語厳禁であり、みっともないと感じられるかも知れません。しかし、タイ人は人間関係を第1に考えており、その一環でコミュニケーションも欠かしてはいけないという価値観を持っています。そのため、一定のおしゃべりは容認しつつなるべく抑えてもらう方向で働いてもらうようにするのが理想です。
頭ごなしに否定しようものなら人間関係を軽んじているばかりか否定していると捉えられ、タイ人には極めて働きづらい環境になってしまいます。

6. 本名では呼ばない

日本で仕事をしているときは本名で呼ぶのが多数派です。しかし、タイ人はというとニックネームはもはや必須アイテムです。これは何故かというと本名が途方に暮れるほど長いからです。そのため、タイ人は生まれつき「呼びやすい」ニックネームを持っています。
タイ人にとっては日本人の名前もまた呼びやすいとは言えません。発音の仕組みなどが違う以上、これは仕方のないことですのでこれを機に日本人も呼びやすいニックネームを使うとタイ人にとって大変心強いです。

7. ミスマッチがあれば即辞職

ミスマッチは日本でも頭痛の種となっている課題ですが、タイではさらに敏感である必要があります。タイ人自身もまたミスマッチに対しては極めて敏感であるためです。それ故に入社初日どころか前日に辞めてしまうということが日常茶飯事レベルで起きます。
家から想定以上に遠かったり、雰囲気や仕事が想定と違うなどといった理由で辞めていくので採用前に営業時間中の会社を見てもらったり、面談を繰り返すなどといったコミュニケーションを徹底しましょう。そうすればミスマッチは未然に防ぎやすくなります。

8. 昇進よりも家族

人間関係を第1に考えると別項で先述しましたが、タイ人は誰よりも家族や大事な人との関係を最優先にします。(これは仏教国であるタイのお国柄に由来しているとも言えます。)故に、タイ人にとって昇進は実は必ずしも喜ばれるものではありません。
一見不可解なロジックに見えますが彼らなりに筋は通っています。これは何故かというと昇進に伴って家族や大切な人と過ごす時間を減らすようでは仏教的価値観から「不孝者」であり、道徳的に良くないと認識されているからです。そのため、どんなに優秀であっても昇進して「不孝者」になるくらいなら辞職することも厭いません。
そこで大切なのは家族との関係を把握したキャリア設計を組むことです。先述したように辞職してしまうときは家族との関係を全く考慮しなかった場合に起きることです。つまり、昇進してもどうすれば「不孝者」にならずに済むかを一緒に考えながらキャリア設計をするのがポイントです。

9. タイ人と日本人の違いを正しく認識しながら仕事をしよう!

これまでタイ人の国民性について解説してきましたが、日本人とは違うところだらけでした。その違いを正しく認識することがとても大事で、これを乗り越えれば仕事は円滑、円満に進めやすくなります。

文:タイ在住寄稿者

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